tender memory

いっぱい食べるあにがすき。

破れた絵本を演じるにーちゃんの考察【後編】

こんばんは。まほろばです。

新曲、ジャケ写公開されましたね!
個人的にとても好きな衣裳なので、MVやリリイベ、特典会が楽しみです。
推しはジャケ写では王子様、集合写真ではお姫様でした。(真顔)
相変わらず袖がないので風邪ひかないか心配です。

さて、今更な部分もなくはないのですが…
今回は、ブログを立ち上げたばかりのころに執筆したMazeの破れた絵本の考察の後編です。
下記のブログを読んでいただいてる前提で書いていきますので、まだの方は下記のブログからお読みください。

そして、いつものことではありますが、これは一人の考察好きの勝手な考察です。
実際どういう想いで演じていたかなどは、にーちゃんにしか分からないことではあります。
私自身新規ファンなので、知らないことがたくさんあります。
もし同担さんで前に本人から聞いた話と違うな~とかあった時は、そっと閉じていただけたら幸いです。

youtu.be

前回は、にーちゃん演じる「破れた絵本」が、気まぐれプリンスさん演じる「保育園の先生」に破かれてしまったところで終わりました。
破られてしまったにーちゃんは、哀しい声で「ぷんちゃん」と呼びかけて、そのまま後ろを向いてしまいます。

そして、あおいさんが演じるこどもがぷんちゃん先生に問いかけるシーン。
後ろを向いている中でも、セリフに応じて少しだけ頭の位置が変わる辺り、やっぱり細かく演技をつけているなという印象を持ちました。
分かりやすいのは「先生、忙しくて全然描けてないねん」という言葉に反応している部分なのですが、実はもう一つ前に動き始めています。
あおいさんの「描いてくれるって言ったよね」の言葉に少しだけ頭をあげているんですよね。

背中を向けてしまっているので表情とかは見えないしこれは考察でしかないんですが…
にーちゃんのなかで気まぐれプリンスさんという人は「嘘をつかない人」なのかもしれないと、ふと思いました。
『この人は嘘をつく人じゃないから、描いた絵本のことを「描いてない」とは言わないだろう。じゃぁどうする?』
そんな淡い淡い期待を抱いたのかもしれない、と。

だけど、ぷんちゃん先生は「先生、忙しくて全然描けてないねん」と嘘をついた。
嘘をつくわけない人がついた嘘。それは、気が付いているはずなのに見ないふりをして逃げようとしている可能性。
『そんなのは僕が知っている貴方じゃない』という、知っていて信頼しているからこその怒り。
だから、嘘をついたぷんちゃん先生に絵本を手渡す言葉の「嘘つくなんて、ぷんちゃんらしくないよ」は怒りと咎めが含まれているのかなと。
ここは、哀しみじゃなくて怒りが先にきたのがすごく印象に残っています。音の印象が強い。

それと同時に、この怒りの気持ちは、ぷんちゃん先生が絵本と対話していないからこそ出せた感情なのかもしれないとふと思いました。
Mazeのストーリー内で、他のメンバーはお助けキャラと軽い会話ができるなど、「何かしらが宿った存在として」話しかけている部分があります。
ですが、この破れた絵本とぷんちゃん先生の間にはそれがない。あくまで破れた絵本は一方通行。
背中を向けているから、自分という存在を認識していないから、怒りとしてぶつけることができる。
でも、こっちを見て絵本に驚くぷんちゃん先生はやっぱり自分を見てなくて、その瞬間に哀しさが勝っていくような雰囲気がありました。

そして、一回目の「気付いてよ」と二回目の「気付いてよ」の音の違いがめちゃくちゃしんどかった。
一回目は、自分の哀しさと寂しさと苦しさが零れてしまったがゆえの音。それはぷんちゃん先生に聞かせる気のない、最早独り言みたいな言葉。
二回目は、「自分の本心に」という言葉が加わり、明確にぷんちゃん先生に向ける言葉。
同じセリフなのに言葉のベクトルを切り分けていて、それがすごく切ない。
自分の寂しさを向けられないんだなって思ってしまって。

でも、次の「痛かった」は明確にぷんちゃん先生に向けられ、ここで初めて破れた絵本とぷんちゃん先生の言葉が明確に繋がるんです。
私にーちゃんのこういう風に感じるとこが好きだなっていうのがあって。人の痛みに敏感な人だなと思ってるんです、勝手にですけど。
自分だって痛かったのに、苦しかったのに、目の前で素知らぬ顔してひそかに傷付いているぷんちゃん先生を見て傷付くことができる人なんだよなって。
だから、悲痛な「痛かった」の後、ぐずぐずになりながら言う「けど、痛かったのはぷんちゃんのほうだよね」という言葉が一番刺さる。
そして、「心痛かった」と伝えてくれるぷんちゃん先生の気持ちを、「知ってる」という一言だけで全部背負っていこうとしてくれるんですよ。
傷付くということの痛みを知っているから、人の痛みが分かって、それを貰おうとすることができる。
自分の痛みも人の痛みも丸ごと背負って、それでも前にいくために、連れ戻すために、もう一回立ち上がることができる。
この役はこの人じゃないとダメだなってすごく思います。
演技が上手いメンバーさんはたくさんいるけど、やっぱりにーちゃんの役で、役目だなって。勝手に。

 

そして歌が始まります。にーちゃんの、にーちゃんとしての物語がもう一度動き出した楽曲。
この歌い出し、大好きです。さすがの説得力。ちゃんと戦いが始まってくれるなって思いました。
そうなんですよ、これは戦いなんですよ。ぷんちゃん先生にもう一回、思い出してもらうための戦い。

ここの歌の印象、例えばフォーゲルさん編の気まぐれプリンスさん演じる「切れかけの電球」とはかなり違うんですよね。
切れかけの電球が歌う「Sealing Lights」は、明確に【救い】だったなと思っています。
もちろん歌う人の技術とか声質とかに大きく左右される部分はあるとは思うんですが、曲の立ち位置みたいなものが違うなと。
ここのにーちゃんの歌は、ぷんちゃん先生の目の前に「逃げんな」って突きつけるための歌。
なんかね、にーちゃんがにーちゃんだし、先生みたいだなってふと思いました。ぷんちゃん先生もそれに応えているみたい。

あともうね、ひたすら歌が上手いんですよ。にーちゃん。お願いだからミュージカルもっと出て欲しい…
歌も上手いし、歌詞にセリフのごとく感情を乗せるのも上手い。
「仲間に出会えたから」で周りのメンバーを見る顔は、さっきまでの寂しそうなにーちゃんじゃない。
自分はもう一度出会えたから、だからここにいられるんだっていう強い顔をしています。
そして、ぷんちゃん先生が破いたページを開いて「醜くとも これこそが己だと誇れ」って指し示す。
ここもちゃんと破いたページなのが良い。自分の気持ちを突きつけるみたいで。てかたぶんそうだと思う。
そして、この歌詞の時にしゃがむんですよね。それまで隣で歌っていたのを、顔を見るみたいに、彼だけにぶつけるみたいに。

「そんな鬼のことが羨ましくて、羨ましくて」という言葉って、にーちゃんがにーちゃんでいられなかったときの心境と被るのかななんてふと思いました。
あの頃の辛かった気持ちをもう味わう必要はないはずなのに、だって自分は【にーちゃん】としてここにいられるから。それを叶えてくれたうちの一人、ぷんちゃんがなぜそれを感じなくちゃいけないの?って、そんな感じ。
だからかな、そのあとの「ねぇ、まだ気付かない?」が本当に悲痛で、苦しい音だなって思いました。でも戦うんだよね。

 

そして、ぷんちゃん先生が全てを思い出す。「思い出した!?」っていうにーちゃんの言葉を聞いて、初めて「破れた絵本のにーちゃん」を見る。
うなずいたわけでも、声に出して答えたわけでもない。見たから、思い出したって分かる。
これは、今までぷんちゃん先生が絵本を見てこなかったからこそ成り立つアクトだなと思いました。
そこで初めて自分を認識されたことに気が付いて、慌てて泣き顔を拭ってセロハンテープ強奪に行くの可愛くて大好きです。笑
泣き顔を見せるんじゃなくて、泣いてたことはばれたくないっていう選択がにーちゃんだなって思っちゃうんだよなぁ。

あとここはひたすら可愛い。可愛いんですよ。秘密道具貸せ!ってセロハンテープ強奪しようとして、エプロンのぽっけ探るも逆で、取り出したときにわさびのほうやって。笑
二番煎じさんにテープ渡してはよはよ!ってわちゃわちゃして一生懸命貼り付けて。本当に本当に可愛いんですよ。
本当に可愛いくて思わず笑いが起きてて、それがあるからそのあとのセリフを重くしてない。
「俺、嬉しかったんだけど」っていうセリフ、言い方が本当にさらっとしてるんですよ。あえてその選択をしているんだと思うんですけど、直前で笑いを起こしてるからギャップでめちゃくちゃ良い言葉になる。
言い聞かせるように、置くように、「いいセリフ」として言うこともできたと思うんです。でもそれをしないという選択をした。
「一度離れても…」というセリフは、【気まぐれプリンス】ではないぷんちゃん先生が言った言葉だから。当たり前のようにそう思っている彼に救われたからなのかなって。
だからにーちゃんも、なんでもないことみたいに、彼を救い返したんだろうなって。いいなぁ、ほんと。

 

というわけで、前後編に分けてお送りしました、「『Maze No.9』ストーリー~気まぐれプリンス編~にて破れた絵本を演じるにーちゃんの考察」。いかがでしたか。
後半は特に勝手に【にーちゃん】という人に思いを馳せることになると分かっていたのでなかなか書けなかったんですよね。
全然的外れだったらどうしよう…とひそかに怯えています。笑

とりあえず、無事に書き終えられてよかったです。
PQの感想とかも書きたいなぁと思ってるし、ルーレット企画も止まってるので進めないとだなぁと思いつつ…
本日はこれにてお開きです。
お付き合いいただきありがとうございました。