tender memory

いっぱい食べるあにがすき。

結局何も変わらない日常

そのお知らせがきたのは、自宅で1:1のMTGをしている最中だった。

かなり元気なお相手の話に相槌を打ちつつ、震える指でリンクを押し、一通り眺め、活動休止の辺りで背筋がひゅっとなった。
終わり際で雑談に移り変わっていたそのMTGを終わらせ、改めてしっかり目を通した。

今でも不思議なんだけど、私はこの件で一度も泣いていない。
さすがに背筋が冷たくなったし多少の動揺はしたけど、涙を流すことはなかった。
それは恐らく、5/4の発表の時点で、ある程度の先を感じていたからだと思っている。

 

悲しいかな、30歳はなかなかに"大人"だった。
春ツアーを回りきって最後の発表だった今回。今のチケットの販売状況やSNSの反応数、新曲への反応…etc それらを冷静に見てしまえば、発表された『日本武道館 単独公演』が、あまりにも無茶だということが分かってしまう。
そもそも、発表しているときの空気が、言葉選びが、その先の未来が明るく順調だとこちらに提示できるものじゃなかった。
Mesemoa.が順調に育って晴れて辿り着いたサクセスストーリーのゴールというより、何が何でもその夢を叶えておかないといけないから今やるという【決意と覚悟】を感じるものだった。

ただ、これについては現地にいた友達もだいたいそうだった気がする。
終わりを感じ取りながら、それでも彼らが叶えた夢を応援するためにどうやって自分の都合をつけようかっていう話を楽しくしていたように思う。

前日は福島のライブハウス公演で、並んでる最中にDDP当落と8/16とファンミの話でてんやわんやしていた。
まさか翌日にTLがえらいことになるなんて、誰が想像していただろう。

 

卒業を選んだ白服さんとフォーゲルさんが好きだった人や、活動休止を選んだ二番煎じさん・にーちゃんが好きだった人、白服さんとフォーゲルさんのことを大切に思っていたであろう、Mesemoa.に残るメンバーの気持ちを考えてしまう人、"Mesemoa.の9人"が好きだった人…
様々な人がいると思う。そして、すぐに切り替えていくのは無理だし、その必要はないので、どうか自分が落ち着けるようなことをして、ゆっくり休んでみてほしい。
彼らにとっては『ずっと悩み考え決断していたこと』だけど、私たちにとっては『20日現在で4日前に初めて聴かされたこと』なのだから。

そして、応援できない自分や受け入れられない自分を責めなくていいんじゃないとも思ったりしている。
大人だろうが子どもだろうが『好きなものがなくなる』のは、寂しいし悲しい。
当たり前にそうだし、それに嘘をつく必要もきっとない。
なんとなく、切り替えができなくて苦しんでる人が多い印象を受けてしまったので、私が言わなくてもいいだろうけど、書いておきたかったんだな。

 

にーちゃんは、活動休止という選択を選んだ。

来年の武道館の後、推しが数か月いない。というのは、まだ経験していないけどきっとすごく寂しいんだろうなってぼんやりと思うことしかできなかった。
良くも悪くも、私は新規なのだ。まだにーちゃんを推し始めて一年経っていない。にーちゃんが自分の世界にいない時間のほうが、圧倒的に長い。
だから、いないことを受け入れられるのかもまだ分からない、が正直な気持ち。

不幸中の幸いか、私はこの発表の直前に色々と考える機会があり、『自分の中でにーちゃんという人に持っている感情をどうするか』という命題に結論を出したところだった。
いなくなるかもしれないという予感に、早めに対応していたといった感じかな。
だから、発表の際に、必要以上に動揺せずにいられたのだと思う。
(かなり特殊な例なので、対処法として参考にならなすぎるなと思うなど)

 

私は、にーちゃんに関しては激単推しだ。
にーちゃんがそこで歌い踊るから、楽しそうに喋るから、Mesemoa.に会いに行く。
Mesemoa.のにーちゃんが好きなわけではなくて、にーちゃんがいるからMesemoa.が好きだ。どう足掻いても、そういう人間だった。
そういう人間なんだと覚悟するのも、上で考えていた命題に含まれていた。

だから、もし彼が別の道を歩むことを決め、グループから卒業していったら。
残ることを決めた5人を、今まで通りの熱量で応援することは、できない。
全員好きだけど、それぞれに好きなとこあるけど、これについてはもう別問題としか言いようがない。にーちゃんへの熱量をその5人に、とはできない人間だ、私は。

だから、個人的にはにーちゃんには残っていてほしいと思っている。
にーちゃんが歌うのが好きだし、踊るのが好きだ。彼らのなかで笑うのが好きだ。だから、まだ見ていたい。素直にそう思う。
いつもの9人はから2人欠けることを受け入れるって、簡単なことじゃないんだろうけど、それでもまだ見ていたいと思うし、それを言うことは悪いことじゃないと思っている人です、私は。

 

東京の撮影会は奇跡的に二日とも参加できた。

チケット数の多かった19日は楽しく過ごしたくて、18日に考えてることを全部話そうって決めて、2日間のほとんどを、頭の中で文章を組み立てる時間に費やしていた。
今まで言葉を選んで表現していたことも、出来る限り思っている通りに伝えたくて、でも出来る限り負担にならないように。
結果、無事に言いたいことは全部言えて満足です。ある意味で湿度の高い言葉を淡々と話す私、ある意味とても奇妙だったろうな。
そんな私の話を、にーちゃんはすごく真っすぐな目で聴いてくれて、ああやっぱりこの人しかいないなぁと思うなどした。

19日は楽しく話す!遊ぶ!を目標に、いつも通り楽しく過ごした。にーちゃんもいつも通り楽しく過ごさせてくれた。ありがとうしかないなぁ。
たくさん「だいすき」を伝えられたし、最後はいつもどおり寂しくて、ちゃんと日常を過ごせた感じがして嬉しかったな。

お話したいの優先したから言えなかったけどさ、にーちゃん、MV衣裳も最強にかっこよかったよ。リボンのとこ色違うんだね!?!?!?

 

そして、終わってないんだよな、まだ。と思うなどしている。
たまに、活動休止メンバーがもう卒業してしまうかのような言い方をする人を見かけるんだけど、ぶっちゃけめちゃくちゃ地雷なので見かける度にそっとミュートさせていただいている。自衛大事。

武道館まで後九ヶ月ある。それまでにオンライン特典会もあるし、ライブもあるし、DDPもある。にーちゃんは聖誕祭もある。ファンミだってある。まだ決まっていないだけできっとこれからも色んな予定が出てくるんだろう。
武道館が終わった後も、休止するというだけで、卒業するとは一言も言っていない。

私は、この世の中で100%なことは一つしかないと思っている。
『人間はいつか死ぬ』っていうことだけ。
だから、白服さんとフォーゲルさんの卒業が100%ではないと思っているし、二番煎じさんとにーちゃんが卒業を選ぶ可能性を0%だと思っていないし、残るメンバーが解散を選ばない可能性を0%だと思っていないし、武道館を開催できる可能性が100%だとすら思っていない。
あくまで、確率の話。どんな物事も100%がない以上、0%もない。それ以上でも以下でもない。

だから、勝手に終わらせないでよ、って思っちゃう。
そう思うことは否定しないから、せめて誰にも見えないところで言ってほしい。インターネットってオープンな世界なんだよね。
自分がこの先残るか残らないかを決める時、卒業すると思われてるよりは残ってほしいと思われてるほうが残りやすくない?普通に。知らんけど。

私たちが勝手に幕引いちゃだめだ、彼らのものなんだから。

 

変わらないものなんて何もないし、いつかは終わるかもしれないものだったし、そもそも私は好きでいることしかできなくて。
だからせめて、最後まで物語を読み続ける人でいたいと思う。

あとはそうだな。
言える限り大好きって言って、呼べる限りにーちゃんって呼んで、少しワガママ言ってにーちゃんに私の名前を呼んでもらおう。

 

結局何も変わらない日常がくる。変わったのは、私のひそかな決意だけ。